国民的アニメとして世代を超えて愛され続ける「映画ドラえもん」シリーズの通算第44作目であり、映画45周年記念作品でもある本作は、絵画の中に広がる中世ヨーロッパ風の異世界を舞台にした壮大なファンタジーアドベンチャーです。監督を務めるのは、シリーズ屈指の名作として名高い『新・のび太と鉄人兵団』などを手掛け、情感豊かな演出に定評のある寺本幸代。そして脚本には、緻密なストーリーテリングで定評のある伊藤公志が迎えられました。水田わさびをはじめとするお馴染みのレギュラー声優陣に加え、物語の鍵を握るキャラクターたちの瑞々しい演技が、時空を超えた冒険を鮮やかに彩ります。美術的な美しさとエモーショナルな人間ドラマが融合し、観客を魅惑の芸術世界へと誘う傑作に仕上がっています。
夏休みの宿題である「絵」の課題に頭を悩ませていたのび太のもとに、天井に突如として現れた奇妙な穴から、美しい少女とコウモリが描かれた一枚の絵画の切れ端が落ちてきます。ドラえもんのひみつ道具「はいりこみライト」を使って絵の中の世界へと足を踏み入れたのび太たちは、そこで記憶を失った不思議な少女クレアと出会います。クレアは、テレビのニュースで数十億円の価値があると報じられていた、現代では再現不可能な青色「アートリアブルー」が使われた幻の絵画に描かれていた少女でした。彼女の故郷である13世紀の「アートリア公国」へと向かった一行は、クレアの幼馴染みである宮廷画家の息子マイロと再会しますが、クレアは4年前に神隠しに遭った当時の姿のままであり、国には不穏な影が忍び寄っていました。
旅の途中で出会った謎めいた美術商人パルや、国王に仕える道化師ソドロの思惑が絡み合う中、のび太たちはアートリア公国に伝わる「世界滅亡」の伝説が蘇る危機に直面します。実はソドロの正体は未来からやってきた悪質な絵画泥棒であり、偽物のクレアを操って国を混乱に陥れていたことが判明します。さらにパルの真の姿は、この歴史の歪みを追うタイムパトロールでした。ソドロは伝説の悪魔イゼールを呼び覚まし、その強大な力によってアートリア公国の美しい「色」が次々と奪われ、世界は絶望的な白黒の世界へと変貌してしまいます。ドラえもんたちも絶体絶命の窮地に追い込まれます。
しかし、のび太たちは諦めませんでした。イゼールをおびき寄せるために描かれたドラえもんの拙い絵に対し、「はいりこみライト」の奇策を用いて絵の中のドラえもんからひみつ道具「水戻しふりかけ」を引き出すことに成功します。その水をイゼールに浴びせることで、ついに伝説の悪魔とソドロの野望を打ち破り、アートリア公国には再び鮮やかな色彩と平和が戻りました。激しい戦いが終わりを告げた瞬間、「はいりこみライト」の効果が切れたことで、絵の中の世界の住人であったクレアやチャイたちはのび太たちの目の前から静かに姿を消していきます。切なくも美しい別れを経て、元の世界へと戻ったのび太は、心の中に残るかけがえのない思い出と大切な友への想いを胸に、白紙だったキャンバスへと向かい、自分だけの「最高の絵」を描き始めるのでした。
| 原題 | |
| 製作年度 | 2025年 |
| 製作国・地域 | 日本 |
| 公開日 | 2025年03月07日 |
| 上映時間 | 105分 |
| 監督 | 寺本幸代 |
| 脚本 | 伊藤公志 |
| 出演者 | 水田わさび, 大原めぐみ, かかずゆみ, 木村昴, 関智一, 和多田美咲, 種﨑敦美, 久野美咲, 鈴鹿央士, 藤本美貴, 伊達みきお, 富澤たけし |
